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The New Space Opera 2 edited by Gardner Dozois & Jonathan Strahan

Anthology Jonathan Strahan Space Opera

MacBook Air 11インチ欲しい!
Macなんか生まれてこのかた触ったことないけれど!

……という物欲エントリを書こうか書くまいか迷った挙句、大昔に途中まで読んだアンソロジーのエントリに無理やりしてみた。不徹底な私を笑ってください。

The New Space Opera 2

The New Space Opera 2

特に語ることもないが少しだけ書いておくと、The New Space Opera 2はニュー・スペースオペラのオリジナルアンソロジーである。以上。というのは大嘘で、大ベテラン編集者ドゾワと当代きっての人気アンソロジスト・ストラーンがその人脈を駆使して(?)、現代を代表するSF作家たちに宇宙をテーマにした作品を書かせたアンソロジーであり、以前ハヤカワSF文庫でプッシュしていたような「ポスト・サイバーパンクの流れを汲む英国産現代風スペースオペラ」という限定的な意味はない(とはいえ作家陣は多少かぶっているが)。
そこそこ人気があったらしく2巻が出たが、1巻にイーガン、バクスター、シモンズ、イアン・マクドナルド、レナルズ、マコーリイ、その他諸々とあまりに第一線の人材を投入してしまったので、2巻はちょっとレベル下がっちゃうかなと思ったが、読んだかぎりではそんな事もない気がする……というかスペースオペラってそんな優劣つくようなものでは(略)
編者いわく3巻も出す意欲はあるということだが、1巻が2007年、2巻が2009年と来て今年あたり出そうな感じだが、まだ話は聞かない。

収録作

作品名 作者 評価 コメント
Utriusque Cosmi Robert Charles Wilson ☆☆☆☆ 地球を突如襲った大変動とそれを生き延び宇宙を旅することになった一人の少女の運命とは。ウィルスンが最近の短編で好んで用いるカットバック風の構成で、宇宙の彼方まで続く少女の旅路と地球最期の日のある出来事をエモーショナルに綴る。なかなか力作だと思うけれど、ラストが個人的に釈然とせず。ウィルスンといえば今年『時間封鎖』3部作の最終巻が出るそうだけど、どうなるんでしょう。期待半分、不安半分。
The Island Peter Watts ☆☆☆☆ ポストヒューマンとAIの探査船が虚空で出会った未知なる知性のかたち。どこがスペースオペラじゃいという、現代風の意匠をこらしたゴリゴリのファーストコンタクトものハードSF。ヒューゴー賞も獲ったし、邦訳もされたし*1、特に付け加えることなし。素晴らしいです。
Events Preceding The Helvetican Renaissance John Kessel ??? 宇宙のすべてを納めたといわれる帝国の象徴・根源劇を一人のテロリストが盗み出す。表向きは通俗的なスペースオペラの風をまとっているが、そのまま読んでも話がつながらない。頭のいい話は苦手れす。小ネタの中では4次元ポケットみたいなものに数十年閉じ込められていたお姉さんがが好き。
To Go Boldly Cory Doctorow ☆☆☆ 若き宇宙戦艦の艦長が宇宙で出会った存在はポストヒューマンだった。あっさり部下を消し去った相手に艦長は激高するがどうにも話はかみ合わず……。ストロスの『シンギュラリティ・スカイ』同様、ミリタリー風スペースオペラが未来の衝撃にぶつかった様をコケにしたアンチ・スペースオペラ。宇宙戦艦って男のロマンなんですがねえ……。
The Lost Princess Man John Barnes ☆☆☆★ 辺境惑星で買った娘を帝国貴族の子弟に売り込むのを生業とする男。ある貴族に脅され娼館の若女将を帝国女帝に仕立て上げるが、彼女は次第にカリスマを発揮していく。ありがちな銀河帝国ものにちょっとひねった設定を加えたピカレスク譚でけっこう読ませる。苦いラストもいい。バーンズはストーリーがうまい。
Defect Kristine Kathryn Rusch ☆★ 暗殺者の母親とその息子の物語。ラッシュとはどうも趣味が合わない。
To Raise A Mutiny Betwixt Yourselves Jay Lake ☆★ 知性を持つ宇宙船の反乱を舞台に長い因縁を持つ二人の不老人が対決する。設定から推測するに同著者の長編 Death of a Starship のサイドストーリーらしい。レイクはどんな凝った設定を用意しても話が本当につまらないと個人的には思う。
Shell Game Neal Asher ☆☆☆ 自種族の絶対視する宗教を奉じ、人類の居住惑星に襲撃を仕掛けてくる巻貝型宇宙人にある船長が復讐の罠を仕掛ける。アッシャーの「ポリティ」シリーズのサイドストーリー。機知をきかせて宇宙人をやりこめるという素朴な意味でのスペースオペラ。その意味では十分面白い。
Punctuality Garth Nix 帝国の交通機関の正確さと歴代皇帝のあいだに隠された秘密とは。まじどうでもいい。
Inevitable Sean Williams ☆☆
Join The Navy And See The Worlds Bruce Sterling ☆☆☆
Fearless Space Pirates Of The Outer Rings Bill Willingham ☆★
From The Heart John Meaney ☆☆★
Chameleons Elizabeth Moon - -
The Tenth Muse Tad Williams - -
Cracklegrackle Justina Robson - -
The Tale Of The Wicked John Scalzi - -
Catastrophe Baker And A Canticle For Leibowitz Mike Resnick - -
The Far End Of History John C. Wright - -

*1:SFマガジン2011年3月号収録のピーター・ワッツ「島」